UM-House
アプローチ:木々をめぐり雁行するアプローチに沿って光のベンチが訪れた人を誘導する。
 
寺町の風情と江戸の知恵

古くからの寺町として、かつては高密度ながらも調和のとれた景観だったであろうこの地は、現在では商業地としてビルが建ち並び、緑化も乏しく潤いのない景観となっています。
この地に寺町の風情と路地を巡り歩く楽しさをを取戻し、緑豊かな住環境を創出することを計画のコンセプトとしました。
そのために建物を道路から後退させて豊富な緑量を確保した前庭や、背後の寺の緑ともリンクした中庭など各所に庭を設けて「緑の鎖」を構成。生活の中で四季の彩りを楽しむ路地的なエントランス空間としました。
また「物見」「路地」「土間」「格子」「障子」など気候風土に根差した江戸の知恵をキーワードとして抽出。ファサードやエントランス、各住戸への道すがらを構成する要素のテーマとし、現代にも通じる「住むための工夫」が凝らされた居住環境であるよう努めました。

敷地配置図:街区に埋没した寺の緑とも連携した緑の鎖を構成し、路地的な巡り歩きのシーンを彩るよう緑化。
江戸好みの「雀の羽色」

日本人の体の色でもある「雀の羽色」白・黒・灰・茶が江戸の町並みを構成する基本カラー。
本計画でもこの色合いをベースにし、桜やもみじが差し色となるよう配慮。
外観:物見=眺望・障子=採光・格子=通風と目的別にバルコニー手すりの素材を使い分けている。
エントランス:江戸の裏路地をイメージし軒先から漏れる光と時折垣間見える坪庭の景色を表現。
 
江戸の知恵を抽出したキーワード
物見

暮らしのひとこまを彩る物見のたのしみ。
山桜やスカイツリーを眺めつつ歩く路地的アプローチ
 
路地

進むごとにシーンが変わる雁行アプローチ
 
格子

視線を適度に制御する御簾のような格子
 
土間

出かけや帰宅のシーンをサポートする土間
機能的でありながら
さりげなく暮らしぶりがうかがえる
バッファー空間

 
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