J-TWOER

ファサード夕景
ファサードディテール


リアルなものと虚なるもの
垂直に積み上げられたオープンテラス

ガラスでラッピングされたアトリウムとその奥に隠されたプライベートな空間

人と視線が行き交う情報発信の街に、ただ浮遊するようにたたずむ光のオブジェのような集合住宅です

プライべートでありながら情報を発信していく緊張感と仮想空間的非現実性のギャップ

暮らしの様をさらしながらも、幾重にも重なる光のヴェールをまとい、虚像と実像が交錯していきます
アプローチ
エントランス
エントランス
 
明治通り神宮前2丁目の交差点に建つ集合住宅。

周辺はアパレル・デザイン系のショップやオフィス・オープンカフェなどが混在し、情報を発信し合っている地域です。

この街に住む魅力とは情報の海に身をゆだねたり、ときには自らも発信者となりうるということなのではないかと思います。

その魅力を最大限に発揮する仕掛けを作ることをコンセプトとしました。

地域イメージの魅力とは裏腹に前面道路の交通量や明治通りからの視線の通り方は居住条件としてはなかなか過酷で、周辺の集合住居などはみな閉鎖的です。

この条件の中で居住空間と都市がプライバシーを保ちながらも緩やかに連続することが、ひとつには居住空間の広がりのため、もうひとつには都市景観の奥行きのため重要であると考えました。

そのために居住空間の前面に3m×3mのオープンテラスと店舗のショーケースを模したキューブ状のボリュームを積み上げ、DPG工法のガラスカーテンウォールでラッピングしたような空間”アトリウム”を配してお互いのバッファー空間としました。

この空間はいわば都市の側に属するもので、プライバシーを守るだけでなく居住空間側からのメッセージ発信の場ともなるものです。

また都市の中に自分だけのオープンテラスシートを確保していることにもなり、都市生活の醍醐味が味わえる仕掛けとなっています。

多様なプランニーズに応じるためスケルトンインフィル工法を採用し、住戸内のどこにでも水周りを設置可能としました。(「建築設計資料101/SI住宅」掲載)

ガラススクリーンをファサードにかける手法については、光や映像を反射することで内外の情報を混合するなどの視覚効果のほか、「耐候シールド壁」として特許を取得しており、熱線反射ガラスの使用と上下がオープンとなっていることで、夏場の熱負荷軽減のためのサーキュレーション効果や冬場の放射冷却軽減の効果をもたせてあります。
住戸バルコニー夕景
住戸内部
 
※この建物はAdd都市建築事務所在籍時に担当したものです。
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